なじょんしょば

99年式GSX1300R、自作オーディオ、カメラに関するあれこれ

6DJ8全段差動PPミニワッター(前編)

  はじめに

正月明けに6N6Pシングルミニワッターを製作し、この小さな真空管アンプから放たれる美音に酔いしれるひと時を毎晩楽しんでいました。もうアンプはコレで十分なのでは!?と思いつつもそこは欲深き人間の性と言うヤツで、新たにもう1台真空管アンプを製作することに。
実はぺるけ氏のHPにはこのシングルミニワッターを発展させた全段差動PP(プッシュプル)ミニワッターの製作記事が掲載されており、シングルでも十分な音なのにプッシュプルだと更なるお楽しみが!?と思ってしまったわけです。

 

それにしても真空管アンプを1台製作してからこんなに早くもう1台を作ることになるとは思ってもいませんでした。しかしこれには急ぐ理由があって、ここ数年でアンプの部品の入手性が急速に悪化しており、悠長な事をしていると作りたいものも部品が入手できずに作れないと言う事態に陥りかねないご時勢なのです。

  部品収集

今回使う真空管は6DJ8という型番のものです。6N6Pを使うという手もありましたが、どうせなら違う真空管を使って組んだアンプの音を聴いてみたいという思いもあり6DJ8を使うことに決めました。
ちなみに真空管の型番は独特かつ膨大なので、真空管アンプを組むまでは全く馴染みもなくチンプンカンプンでした。まあ今でもチンプンカンプンなのですが、この理解の難しさが真空管の世界へ足を踏み入れる障壁の一つになっているような気もします(汗)

 

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私が入手したのは東芝製のものですが特に国産にこだわりがあったわけではないです。オークションなどを見ているとSylvania、GE、Philips、Amperexなどの海外メーカー製の方が流通しているように思います。
そしてこの真空管は割と人気が有るらしく中古品が1本2,000円ほどすることもチラホラ。6N6Pとは大違いです。
ちなみに今回入手した真空管の箱には購入日と思われる日付が書かれており、昭和41年と書いてありました。令和の時代に昭和中期のもので遊ぶことになるとは思ってもいませんでした(笑)

 

トランス類はぺるけ氏指定のものを春日無線変圧器から、1/4W金属皮膜抵抗器はすべて手持ちのものを、ケースを含めたその他の部品は毎度のことながらぺるけ氏に頒布してもらいました。この場を借りてお礼申し上げます。
今回使用する半導体類はすべてディスコンかつ市場在庫もほぼ皆無なので、この頒布プログラムの偉大さが身に染みます。不吉な話しで大変失礼ですが、ぺるけ氏に何かあったらこの遊びも無くなってしまうのか!?と時々考えてしまいます。そんなわけで作りたいと思ったときにすぐ作る!!という冒頭の話に繋がるわけです。

  部品実装

いつもならまずケース加工から入るのですが、今回はラグ板への部品実装からスタートします。その理由はケース加工で部品実装済みのラグ板が必要になるからです。

 

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ということでいつもどおり実装部品を両面テープを貼ったA4用紙に並べ、抵抗にテスターを当てて間違った抵抗を並べていないかどうかをチェック。さらにラグ板への部品取り付け順序を検討し、実装図を色付け+メモ書きして準備完了。
ここまで周到に用意しても今回は実装ミスがありました。しかし、この作業のお陰で回路図と実装の関係が頭に入っていたので、トラブル解決も割とすんなり出来ました。

 

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まずは電源部を製作。実はコイツに実装ミスがありました。FETのソース側のジャンパ線が抜けています。
写真はないのですが、この後にAC130V(トランス)、GND、+29.4V、-4.7Vの配線をはんだ付けしています。電源部をケースに取り付けるとこれらをはんだ付けするのは至難の業なのでご注意を。

 

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次にアンプ部を製作。
しかし事もあろうかコイツのクローズアップ写真を撮影し忘れました。ブロガー失格です(汗)
それにしてもシングルミニワッターに比べると随分と部品が増えて実装も難しくなりました。初心者がいきなり全段差動PPミニワッターにチャレンジするのは無謀かと。その点シングルミニワッターは初心者にも優しく、しかも出てくる音は玄人向けという素晴らしい設計だなぁ~と改めて思った次第です。

 

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ボリュームにハーネスをはんだ付け。今回は抵抗の取り付けが不要でこの点は6N6Pシングルミニワッターよりも楽です。

 

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ケースに組み込んでからだと苦労するので、電源トランスにスパークキラーとヒータの電圧ドロップ抵抗を取り付けておきます。
これらははんだ付けはまだ行わず、ケースに組み込んで配線するときに配線と一緒にはんだ付けします。

  ケース加工

6N6Pシングルミニワッターのときは頒布してもらったケースにヘッドホンジャックの取り付け穴を追加しただけですが、6DJ8全段差動PPミニワッターでは更に部品取り付け穴を追加する必要があります。

 

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ケース正面にヘッドホンジャックとLED取り付け穴、左側面に電源部の取り付け穴、天面にはトグルスイッチ×2個の取り付け穴、右側面にはテストジャック×4個の取り付け穴を追加工しました。
厚み1mmのアルミなので加工も簡単です。

 

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また、先ほどの図面には記載されていませんが、ケース天面に半固定抵抗器にアクセスするためのドライバー挿入穴(φ4)を2箇所追加しました。
これはアンプ部に実装した半固定抵抗器に合わせて現物合わせで穴を空けるしかないので図面化はしていません。詳しくはぺるけ氏のHPの「DCバランス半固定抵抗器の取り付け法改善」という記事を参照して下さい。