紹介
バイクの走りを激変させるパーツと言えば、やはりリアサスペンション。誰しもがそう言うのではないでしょうか!?ハヤブサも例に漏れずOHLINS、WP、Quantumなどからリアサスが販売されていますが、私がセレクトしたのはこちら。
PENSKE製の特注リアサスペンションで、8987のリモートリザーバータイプになります。
何故特注なのかと言うと、後述するリンクKITと組み合わせて使用する前提でセッティングされたもので、純正リンクでは使用できないものだからです。
上端はプリロードを可変するためのナットがありますが、これは付属品のステンレス丸棒を差し込んでナットを回すタイプです。また、スプリングとの座面にはスラストベアリングが挟まれており、これはWPなんかにも見られる仕様です。
リザーバータンクにはPENSKE日本総代理店であるOKUMURAのステッカーが仮止めされています。私は面倒だったので貼り付けていませんが・・・。
リザーバータンクには2つのダイヤルがあり、上の銀色の丸いノブが低速側圧側減衰アジャスター、下側の黒い六角ナットが高速側圧側減衰アジャスターになります。
今時のサスペンションは圧側減衰調整機構が低速と高速で独立しているのはもはや当たり前。なのでもはや珍しい装備ではないような気がします。
純正リンクとはレバー比を変えてあるようで、かつて発売されていたYOSHIMURAのリンクと似た設計値になっているようです。これはYOSHIMURAの真似をしたのではなく、試行錯誤を重ねて完成したものを比較したら結果的に似ていただけで、TEAM ADACHIとYOSHIMURAの開発の方向性が一緒だったと言う事に他なりません。
ハヤブサのリアサス、リンクは300km/hオーバーやタンデムを考慮さている関係上かなりハードで、リンクの仕様からリアサスがある一定以上縮むとそこからなかなか縮まない=動かないサスになっているようです。
なので、ハヤブサでタンデムをした際に思いのほかバイクの挙動が自然で運転しやすく感じたことはないでしょうか!?それだけ高荷重設定と言うことだそうです。
なので、ハヤブサでタンデムをした際に思いのほかバイクの挙動が自然で運転しやすく感じたことはないでしょうか!?それだけ高荷重設定と言うことだそうです。
見事に光輝く切削仕上げですが、アルマイトを施していないのですぐに錆びます。現在では黒or金アルマイト処理されたものが発売されていますので、そちらの方を購入した方が良いかもしれません。
そもそもA7075は耐蝕性が高くありませんし、錆止めにオイルをこまめに塗ってもどうしても錆びてきます。なので潔く諦めましょう。
リンクも通常であればリアディフューザーカウルに隠れてしまうのでほとんど見えなくなります。
個人的にはTEAM ADACHIやHAYABUSAのロゴのセンスは・・・それぐらいならもっと分厚くして、肉抜き加工した方がカッコ良かったような気もします。
説明書やステッカー、リアサスペンションの仕様書が同梱されています。
リアサスペンションの仕様は以下の通り。
スプリング : HYPERCOILS 600-225-650=11.61kgf/mm
スプリング自由長 : 152mm
スプリングセット長 : 139mm
スプリングプリロード : 13mm
ショック長 : 329mm(STDと同じ、327~339mmの14mm幅で変更可)
伸び側減衰 : 最強から18クリック戻し(全33クリック)
低速側圧側減衰 : 最強から10クリック戻し(全26クリック)
高速側圧側減衰 : 最弱から6クリック締め(全16クリック)
ガス圧 : 12.0kgf/cm2
スプリング自由長 : 152mm
スプリングセット長 : 139mm
スプリングプリロード : 13mm
ショック長 : 329mm(STDと同じ、327~339mmの14mm幅で変更可)
伸び側減衰 : 最強から18クリック戻し(全33クリック)
低速側圧側減衰 : 最強から10クリック戻し(全26クリック)
高速側圧側減衰 : 最弱から6クリック締め(全16クリック)
ガス圧 : 12.0kgf/cm2
上記の仕様に対してノーマルサスとOHLINSの初期物は13kgf/mmのスプリング、OHLINSも流石に固すぎると判断したようで、現行では12kgf/mmにバネレートを下げています。
そしてこのサスはそれよりも低いバネレートでかつリンクの変更が加わるので、減衰を無視すればかなり柔らかめのセッティングと言えるのではないでしょうか!?
そしてこのサスはそれよりも低いバネレートでかつリンクの変更が加わるので、減衰を無視すればかなり柔らかめのセッティングと言えるのではないでしょうか!?
リザーバータンクは写真に位置に装着します。バイクの構造上カウル内部に納めるしか方法が無いのですが、そうなると圧側減衰調整が非常に面倒な事になります。
また、このような取付方法だと、OHの際にリアサスを取り外すのもかなり面倒かもしれません。
仕方ないのでシートカウルのインナーカーバを外しました。
これで圧側減衰アジャスターに手が届くようになりましたが、洗車や雨でカウル内部に水が浸入します。ただ、水が浸入したとしても電装部品には届かないので大丈夫かと。今のところはこの仕様で問題ありません。
インプレッション
交換してまず最初に感じたのは純正より少しソフトな乗り心地になったかな!?と言うことでした。マンホール等の段差通過時の突き上げ感がかなり軽減されます。このサス&リンクKITの謳い文句は「高速道路の継ぎ目が分からなくなる」ですが、流石にそこまでではなかったです。しかしこれは私の体重が62kgと比較的軽めなのが原因で、プリロードを緩めれば解決できるでしょう。
よく雑誌のインプレッションに「リアの接地感が分かりやすくなった」などと書かれていますが、私の場合はそれほど劇的に分かりやすくなったとは思いませんでした。
友人のオーリンズを入れたZX-9Rはリアの接地感が非常に明確で、これはサスの特性によるものなのか、シートの厚み・硬さ、はたまたサスのセッティングによる問題なのかは不明です。
友人のオーリンズを入れたZX-9Rはリアの接地感が非常に明確で、これはサスの特性によるものなのか、シートの厚み・硬さ、はたまたサスのセッティングによる問題なのかは不明です。
峠では、純正サスよりもバイクとの一体感が高まり安心してコーナーに入っていけます。バイク屋の社長も試乗したんですが、「かなり柔らかい印象があるけど、荷重をかけてもしっかりと踏ん張る不思議なリア周り」とのコメント。
まさしくそんな感じだと思います。
まさしくそんな感じだと思います。
セッテイング変更は伸び側減衰だけ変更してみたのですが、強めるとソリッドな乗り味になり、弱めるとソフトな乗り味になってバイクとの一体感が高まる感じがありました。ただ、減衰を弱めすぎるとコーナーでの腰砕け感も出てきたりするので、この辺はお好みで調整すれば良いと思います。
ハヤブサにOHLINSを導入してサスの固さや乗り心地に不満がある方には良い選択肢になるかもしれません。ただ、値段が非常にネックですが・・・。
また、完全一人乗りセッティングになるので、標準セッティングではリアサスが底付きしてしてしまいます。プリロードを2回転~3回転ほど掛けて伸び側減衰を強めれば何とかタンデムできますが、あまり気持ちの良いものではありません。
タンデム不可のリスクもありますが、それでもなお得られる喜びはあるでしょう。
また、整備不良は生命の危険に直結する恐れがありますので自己責任でお願いします。
また、完全一人乗りセッティングになるので、標準セッティングではリアサスが底付きしてしてしまいます。プリロードを2回転~3回転ほど掛けて伸び側減衰を強めれば何とかタンデムできますが、あまり気持ちの良いものではありません。
タンデム不可のリスクもありますが、それでもなお得られる喜びはあるでしょう。
注意事項
これらの記事には私の推測や不確かな情報も含みます。ご紹介したものの中にはメーカ廃盤のものもありますのでご了承下さい。また、整備不良は生命の危険に直結する恐れがありますので自己責任でお願いします。