なじょんしょば

99年式GSX1300R、自作オーディオ、カメラに関するあれこれ

HGST 2.5インチHDD 0S02598

またまたPCネタ

私は会社PCと自宅PCのデータ同期及びそれぞれのバックアップを兼ねてUSB2.0接続のポータブルHDD(2.5インチ)を自作して使用しています。しかし写真や動画の容量が急激に増えてきたことにより、80GB程度のHDDでは全てをバックアップすることが出来ない状況となってきました。

と言うわけで新たに大容量なポータブルHDDを自作することになったのですが、まずはHDDの選定から始めます。選定基準は以下のとおりです。

 サイズ : 2.5インチ
 容量 : 500 GB以上
 I/F : SATA

日常の頻繁な持ち運びを考慮して小型な2.5インチHDDを使用します。また2.5インチHDDならば消費電力が少ないのでUSBバスパワーで動作可能なことも重要なポイントです。
将来性を考えると容量は大きければ大きいほど良いのですが、あまりコストを掛けたくなかったので5,000円以下で入手できそうな500 GBとしました。

I/F(インターフェース)をSATAにしたのは特にこだわりがあったわけではなく、最近のHDDで従来のATAを採用しているものがほとんどなく後日選定するHDDケース側もSATA対応品ばかりだからです。

ところで2.5インチHDDにはいくつかの仕様が存在することをご存じでしょうか!?
具体的には以下の通りです。

 回転数 : 5,400 or 7,200 rpm
 ケース厚 : 7.0 or 9.5 mm
 プラッタ : 1 or 2 枚
 セクタ : 512 or 4k Byte

回転数が高いものの方がデータの読み書き速度が速い傾向にありますが、その反面消費電力が高くなります。
プラッタとはHDD内部の磁気ディスク(円盤)の事で、この磁気ディスクが1枚のものと2枚のものが存在します。一般的には1プラッタモデルがケース厚7.0mm、2プラッタモデルがケース厚9.5mmであることが多いですが、1プラッタモデルでもケース厚9.5mmのものが存在します。
また、1プラッタよりも2プラッタの方が消費電力が高くなる傾向にあります。

これらのより詳しい情報が欲しい方は各HDDメーカーのDatasheetやSpecificationを参照して下さい。当然英語オンリーですが・・・。

さらにセクタとはHDDの最小の記録単位ですが、最近のHDDはAFT (Advanced Format Technology) と言って4k Byteセクタであることが多いです。
これはHDDの大容量化に伴う技術的ブレイクスルーの一つですが、4k ByteセクタのHDDをWindows XPでフォーマットするとランダムアクセスの読み書き速度が遅くなると言った問題が発生します。
しかしVista以降のOSでフォーマットしてから使用すればXPマシンに接続してもそのような問題は起きません。

特にWindows XPマシンのOSインストール用HDDとしてAFTのHDDを使おうとすると、特殊なソフトを使ったりしてこの問題を解決しなければなりません。今回は外付けHDDとして使用し、かつVistaでフォーマットするので大丈夫ですが、Wiondows XPのOSインストール用として新たにHDDを調達しようと考えている方は要注意です。

ところで、前述の通り今回はUSB接続で使用するためHDDの消費電力はUSBバスパワーの範囲内であることが必須となります。
2.5インチHDDの一般的な消費電力とUSBポートの供給可能電力は以下のとおりです。ちなみに電圧はどちらも5 Vです。

【5,400 rpm
・Startup (maximum peak) : 4.5 W (900 mA)
・Average from power on to ready : 3.0 W (600 mA)

【7,200 rpm
・Startup (maximum peak) : 5.5 W (1,100 mA)
・Average from power on to ready : 3.8 W (760 mA)

【USBポート】
USB2.0 : 500 mA (2ポート使用により1,000mA)
USB3.0 : 900 mA

HDDは起動時に最も電力を消費しますが、7,200 rpmのHDDはその消費電力を考えるとUSBバスパワーで動作させるには少し辛いように思えます。Startup時の消費電力はピーク値なのでもしかすると大丈夫かもしれませんが、そのあたりは自己責任で。
私は供給可能な電力と消費電力を鑑みて5,400 rpmのモデルを選択することにしました。

情報も整理出来たところで近所のパソコン工房へHDDを調達に行ってきました。
当初は東芝のHDDを購入する予定だったのですが、生憎この店舗には在庫されていませんでした。
そこで私の中で採用率の高いHGST社のHDDをセレクト。それがこちらです。

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HGST社製の2.5インチHDDで型番は0S02598です。
今回はバルク品ではなく化粧箱に入ったリテール品を購入しました。ちなみにバルク品は販売店舗の保証(通常は1週間)しかないのに対し、リテール品は3年のメーカ保証が付いています。
値段はリテール品の方が高い傾向にありますがその差は数百円と言ったところです。保証を考えるとリテール品の方が失敗が少ないと思います。

リテール品のデメリットとしてはその型番から採用されているHDDの詳細を掴むことが出来ないことなどが上げられます。一応HGSTのラインナップ上では5,400 rpmで8 MBキャッシュ、500 GB、9.5mm厚ののHDDはHTS541050A9E681とHTS547550A9E384が存在しますが、普通の人にはその差すら分からない事ですし、気にしない方が良いのかもしれません。

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HGSTとはHitachi Global Storage Technologiesの略でかつては日立製作所のグループ企業でした。しかし数年前にWestern Digitalに売却されたので、パッケージのロゴにはちゃんとその証が。
かつては富士通もHDDを作っていましたが、こちらは東芝に売却されたので今やHDDを製造する日本企業は東芝のみとなりました。これも時代ですね。

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さて気になる!?中身ですが、HTS547550A9E384 (Travelstar 5K750 500GB)でした。
5,400rpmのHDDは7.0mm厚の1プラッタモデルであるZ5K500シリーズ、9.5mm厚の2プラッタモデルである5K1000、5K750、5K500.Bシリーズがあります。
と言うことで、9.5mm厚の2プラッタモデルの最新から1つ前のシリーズのHDDと言うことが分かりました。
5K1000の方が新しい分だけ読み書き性能が若干高いので、絶対的なパフォーマンスを求める方はリテール品ではなくバルク品で型番を指定して買うのが良いでしょう。

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SATAコネクタ周りと裏面の基板はこんな感じです。
予想を裏切り青色の基板。HDDを久しぶりに購入したので最近の事情には疎いのですが、私が購入したHDDで唯一緑色の基板じゃないのが今回のHDDです。

それでは次回は2.5インチHDDケースの選定と設定・検証をご紹介します。