自作オーディオアンプにはトランジスタやFETが使われることが多いです。
そして自作ならではのこだわりとしてトランジスタやFETの選別を行うことがあります。さらには選別を前提とすることでシンプルな回路を実現したりもします。
私も巷に数多く公開されている自作ヘッドホンアンプを自分で組むようになり、遂に部品の選別の必要性に迫られたため、またもやぺるけ氏のHPを参考にFET CRD選別冶具を製作することにしました。
ちなみに冶具という表現はぺるけ氏のこだわりによるものであり、一般的には治具と書くことが多いでしょう。しかしながら今回はぺるけ氏への尊敬・感謝の念を込めてタイトルを冶具としました。
製作
オリジナルの情報はこちらのページを参照して下さい。ぺるけ氏の作例をほぼ真似したので、本記事は組立内容のみを紹介します。
ケースにはタカチ電機工業のYM-150を使用しました。
CADで部品レイアウトを検討してドリルで穴を空けます。このケースは板厚が1mmなので加工がとても楽でした。
ロータリースイッチの回り止めの突起は邪魔なのでルーターで切断。ロータリースイッチに取り付けるツマミが小さめで、この突起がケース表面に飛び出るとツマミで隠せないので思い切って切断しました。回り止めがなくてもロータリースイッチをナットでしっかり固定するので空回りすることはありません。
ケースに各部品を取り付けます。この時点ではまだ仮止めです。
まずはIDSSを測定する回路のみを実装し、2mAのCRDで正しく測定できるか確認しました。
ちなみに100Ωの抵抗はテスターで測定して選別しています。
基準電圧を作っているツェナーダイオードの両端電圧は5.43V。ぺるけ氏の作例よりも幾分電圧が低く、コレを基準に定電流回路の定数を計算しておき予め必要な抵抗値のアタリを付けておきます。
そして抵抗をマルツ電波に買いに行っている間に新たなアイディアがひらめき、どこかのHPで見た8ピンソケットを流用したFETソケットを実装することにしました。
さらにカッコ良い外観にしようと思い立ち、A-OneのNo.31031 屋外でも使えるサインラベルシール[レーザプリンタ]ツヤ消しフィルム・ホワイト(カット自由自在)を買ってきて、イラストレータでパネルシートを製作・貼付しました。
部品を取り付けた状態がこちら。
折角のアルミケースなのにツヤ消しホワイトフィルムのお陰でなんだかチープな感じに。次回は透明ラベルに印刷するか、シルバーのラベルを使いたいと思います。
トライ&エラーで定電流回路の抵抗を選定し、はんだ付けして完成です。
ちなみに以下のような結果となりました。
0.751mA:7.5kΩ//180kΩ
1.000mA:5.6kΩ//150kΩ
2.001mA:2.7kΩ//1MΩ
1.000mA:5.6kΩ//150kΩ
2.001mA:2.7kΩ//1MΩ
ケースの裏面に付属のゴム足を貼付して、上下のケースをビス留めして完成です。
何となくロータリースイッチのツマミを1サイズ大きいものにしておきました。
CRDの定電流特性の測定はご覧の通り。FETのバイアス特性の測定はトップの写真を参照して下さい。
この冶具のお陰で当初の目的であったCRDの定電流特性の測定が出来るようになりました。このような冶具を作らなくても電池と抵抗とテスターがあれば測定は出来るのですが、自分の勉強も兼ねて製作にトライしています。
そしてディスクリートのFETが軒並みディスコンとなり入手困難になってきた現在では、以前のようにディスクリートのFETを個人で大量購入して選別するようなことはほとんど出来ません。なのでこの冶具をフル活用する機会にはあまり恵まれないと思いますが、冶具の製作自体を楽しむことも目的だったので自分的には満足です。
そしてディスクリートのFETが軒並みディスコンとなり入手困難になってきた現在では、以前のようにディスクリートのFETを個人で大量購入して選別するようなことはほとんど出来ません。なのでこの冶具をフル活用する機会にはあまり恵まれないと思いますが、冶具の製作自体を楽しむことも目的だったので自分的には満足です。
最後にCADで作図した計画図とケースの加工図を載せておきます。計画図はかなり手抜きですがご容赦を。
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