なじょんしょば

99年式GSX1300R、自作オーディオ、カメラに関するあれこれ

Kenko PRO1D プロND8ワイド

紹介

飛行機撮影も回数を重ねてくると、だんだん欲が出ていつもとは違った写真表現を狙いたくなってきます。
その一つが、被写体の動きに合わせてカメラを動かしながら撮影し、背景をブレさせて躍動感やスピード感を演出する流し撮り。空港の展望デッキなどでトライする機会が増えてきました。
そしてシャッタースピードを落とせば落とすほど背景が流れ、被写体が浮かび上がってきます。

EOS 5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS III USM / Mモード 200mm F4 1/20秒 ISO6400 WB:オート PS:オート

夜間であれば光量が絶対的に不足するので、手持ちで撮影する限りはシャッタースピードの下限はないようなものです。むしろ、画質の観点から自分の腕が許す限り極限までシャッタースピードを落として絞りを開き、ISO感度の上昇を抑えます。
しかしながら昼間の場合は光量が多いため、シャッタースピードを落としていくと絞りがどんどん深くなり、どこかで絞りの上限に到達してそれ以上シャッタースピードを落とすことができなくなります。

EOS 5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS III USM / Tvモード 145mm F18 1/60秒 ISO100 WB:太陽光 PS:スタンダード

こちらが夕方・順光の時に撮影した写真でSS1/60秒で絞りがF18。晴天・順光ともなれば絞りはF20以上になります。そうなると小絞りボケの問題が出てきたり、上の画像のようにワイヤーフェンスが写り込みやすくなったりといった弊害も出てきます。

では光量の豊富な昼間でも絞りを開きつつシャッタースピードを落とすにはどうすればよいか?
その答えの一つがNDフィルタを使ってレンズに入射する光量を制限することです。そこで用意したのが、

Kenko製のNDフィルタで商品名はPRO1D プロND8ワイドです。

NDフィルタはご覧のとおりレンズに装着するサングラスと思っていただければOKで、色が濃くなるに従いND2、ND4、ND8、ND16といった具合に型式の数字が増えていきます。 この数字は光の透過量を表しており、ND2=光量1/2、ND4=光量1/4といった具合に数字が大きくなればなるほど光の透過量が小さくなっていきます。また、これを露出に換算するとND2=1段、ND4=2段といった具合になり、ND8のNDフィルタは絞り3段分の効果があるということになります。

ちなみに可視光の波長範囲はおよそ360~830nmで、NDフィルタにはこの波長範囲にわたって一様に均一な透過量が求められ、高級な製品であるほどその均一性が高い傾向にあります。また、特定の波長のみ透過量が多い/少ない場合、写真の色味が変わってしまいますので、あまりにも安い製品は避けた方が良いかもしれません。

EOS 5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS III USM / Tvモード 145mm F11 1/25秒 ISO100 +1/3露出補正 WB:太陽光 PS:スタンダード

レンズにNDフィルタ(ND8)を装着して撮影した写真がこちら。
青天・順光でSS1/25秒でも絞りはF11になりました。ワイヤーフェンスの写り込みもだいぶ軽減されましたが、完全には影響を排除できておらず、写真上部の雲が少し変な色になっています。
ND16を使えばさらに絞りを開くことができるのでワイヤーフェンスの影響もほとんど気にならなくなりそうですが、なにせNDフィルタはサングラスと同じなのでファインダーも暗くなります。その影響がどれほどものものかは、追って検証していきたいと思います。

EOS 5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS III USM / Tvモード 100mm F2.8 1/640秒 ISO160 +1/3露出補正 WB:太陽光 PS:スタンダード

ちなみにNDフィルタはレンズプロテクタの上に重ねて装着しました。これは恐らく本来は邪道で、ご覧のとおりズームを広角端にするとNDフィルタの外枠の影響によって写真4隅が暗く(ケラレが発生)なってしまいました。
また、NDフィルタとレンズプロテクタとの間で複雑な光の反射が起きるので、画質という意味では重ね付けしない方が良いとのことです。しかし、撮影現場での利便性を考えると重ね付けをしたくなるのが人情というもの。私は画質低下を気にせず利便性を重視して重ね付け使用を続けるつもりです。
これが嫌だという方は重ね付けに強いKenkoのZX(ゼクロス)シリーズを使ってはいかがでしょうか。ただし、レンズプロテクタもNDフィルタも倍ぐらいの値段なので、そのコストに見合うだけの価値があるかどうかは、それぞれの価値観によると思います。

注意事項

これらの記事には私の推測や不確かな情報も含みます。また、ご紹介したものの中にはメーカ廃盤のものもありますのでご了承下さい。

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