なじょんしょば

99年式GSX1300R、自作オーディオ、カメラに関するあれこれ

H.C.S. ゼロ・カスタム

はじめに

EOS 60Dをカメラのキタムラに修理に出してフォーカシングスクリーンを交換したときか、シャッターユニットを交換 したときに修理業者がCanonではないことに気が付きました。
この時、世の中にCanon以外でカメラやレンズを修理できる業者があることを初めて知り、少し気になって調べてみるとヒガサカメラサービスさんというCanon認定のメンテナンス専門業者があることを知りました。そしてそこではH.C.S. ゼロ・カスタムという何ともマニアックなサービスがあることも。

また、価格.comなどの書き込みを見ていると、Canonにピント調整を出すと光学精度がCanonの定めた基準内に入るまでは調整してくれますが、それ以上を求めることは難しい様子。対してヒガサカメラサービスさんは限界まで精度を追い込んでくれるところに好感が持てるとのことで、ますます気になる存在になりました。

そんなヒガサカメラサービスさんのH.C.S. ゼロ・カスタムですが、Canonの規格を満たしているのは当然としてそこから更にピント精度を追求するものらしく、

を行い、カメラとレンズを組み合わせてAFピント位置着地点を0㎝に調整するという内容のものです。
現実的に誤差0というのはあり得ないような気がしますが、測定限界まで追い込むと私は理解しました。また、基準値に入れば良しとするのではなく、トコトン追い込むという意気込みというか姿勢こそが大事なんだと思います。

それから月日は流れ、一念発起して長年の憧れだった機材達を入手。
カメラやレンズは中古でもあまり価格が下がらないので中古品に手を出すメリットがあまりないと思っているのですが、今回は僅かでも浮いたお金でH.C.S. ゼロ・カスタムに出して新品以上のコンディションにしようという目論みだったので、敢えてオークションを利用しました。

申し込み

まずはヒガサカメラサービスのHPから、以下の内容で申し込みしました。

下記機材一式のゼロ・カスタムと( )内の部品交換を検討しております。
また、他のレンズに比べEF24-70mm F2.8L II USMのみ解像力が低く感じています。

少し待たされるかなと思っていましたが、朝方に申し込んで夕方には仮見積りの連絡がありました。仮見積りの内訳は以下のとおりです。

分解調整が基本なので予想される交換部品の費用が予め計上されており、更に2台のボディに対してピント調整を行うのでレンズ1本あたり技術料3,000円の割り増しが発生しています。
また、EF100-400 F4.5-5.6L IS II USMは技術未講習機種でゼロカスタムではなく通常のピント調整のみ実施可能との事でした。ちなみに分解調整が必要な状態だった場合はCanonに転送になるようです。
ということで仮見積りの内容は基本的にHPに掲載されていたとおりの料金に部品代が追加になっただけで、交換部品の多寡についてはプロの見立てなので信用することにして特に質問はしませんでした。

発送&本見積り

仮見積りの内容がOKだったので、ついでにショット数の確認と報告をしてもらうように頼み、翌日に機材一式を発送しました。そして発送翌日にヒガサカメラサービスさんから受取連絡があり、その翌日に機材のコンディションチェックをしたうえでの本見積りが届きました。それがこちら。

傷み具合からEOS 5D Mark IV は予想どおりでしたが、EOS 7D Mark IIはまさかのショット数。どおりで使用感が全くなく異様に綺麗な状態な訳で、とてもお得な買い物でした。
また、EF16-35mm F2.8L III USMEF24-70mm F2.8L II USMの分析結果には納得。EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMは特に異常はなく一安心。
意外だったのはEF70-200mm F2.8L IS III USMで、写りには感激していたのにそれに反する点検結果に驚きました。更に分解不可部分にゴミが混入していた場合は除去できないと言われましたが、私が目視で気になるようなゴミはなかったので、今以上に綺麗になるならそれでOKです。

結果的に入手したレンズ達は思ったよりも状態が良く、仮見積りよりも安く仕上がりそうなことが分かりました。分解調整する過程で潜んでいた不具合が発覚して追加料金が発生する可能性もありますが、とりあえずこの内容で作業を進めるよう依頼しました。

返送&開梱

作業を依頼してから9営業日後に作業完了の報告があり翌日に入金。そして入金2日後に機材が到着しました。
ちなみに本見積の内容から追加作業が発生するような事もなく順調に進んだようで、追加料金の発生はありませんでした。
また、仮見積りの時点では納期が15営業日前後と言われていたのですが、作業内容が少なくなったとは言え予想よりもだいぶ早く作業が完了したのは有難かったです。

参考までに支払方法は銀行振込、代引き、佐川e-コレクトに加え、現在はPayPayが使えます。しかし10万円超ともなるとPayPayは利用しづらく、ネットショップの通販のようにカード決済が利用できると良かったのですが・・・。

それはさておき、

到着時の荷姿です。 機材を発送した際のダンボール箱を再利用するのかと思いきや、新品のダンボールに梱包されて返送されてきました。当然ですが、ダンボールはABフルートのしっかりしたものです。

ダンボール内の様子はご覧のとおりです。
合計金額がとんでもないので、機材を発送したときの梱包はこれでもか!!というぐらいの過剰梱包だったので少し拍子抜け。でもこれが普通でそして十分な梱包だと思います。
あと、バッテリーが取り外さていたのは意外でした。そしてちゃんと帯電防止ポリチャック袋が使われているのは流石です。

機材はこのようにポリ袋に包まれています。いかにも修理上がりと言った感じでなんだか嬉しくなります。
そして袋の中身はピッカピカ。ホットシューに溜まっていたホコリも完璧に清掃されており、まさに「新品のような」という表現がピッタリ。

EOS 7D Mark II

まずはEOS 7D Mark IIの報告書です。
フランジバック値はそもそも許容範囲内だったようですが、ゼロカスタムで徹底的に追い込んだうえにAF関連も限界までチューニング。工場出荷状態よりも良い状態になったのはないでしょうか。
ちなみにセンサーには取り切れないゴミが2点あるそうで、図(□)の中の縦線×2本がゴミのおおよその位置だと思われます。しかしゴミと言っても私の眼では見えなかったので気にしないことにしました。

EOS 5D Mark IV

次にEOS 5D Mark IVの報告書です。
こちらもフランジバック値はそもそも許容範囲内。ファームウェアが随分と古いものだったらしく最新版にアップデートされていました。
センサーのごみはEOS 7D Mark IIと同様です。

EOS 5D Mark IVを入手した当時から、グリップラバーがEOS 7D Mark IIと比べて硬くてツルツルしているような気がしてならず、良い機会だったのでグリップラバーの交換を依頼したのですが、これは大正解でした。
やはり新品のグリップラバーは柔らかくでしっとりしていて、手に吸い付くような触り心地が最高です。
グリップは常に触れる部分なので新品交換の効果を体感しやすく、部品代も700円なので3年以上使ったカメラなら交換して損はないと思います。むしろ定番サービスとして積極的にアピールした方が良いんじゃないでしょうか。
しかし惜しむらくはカードスロットカバーの交換を依頼しなかったこと。グリップラバーの交換を依頼した時点では、このカバーに貼られたラバーが含まれていないことに気が付いていませんでした。

EF16-35mm F2.8L III USM

1本目のレンズEF16-35mm F2.8L III USMの報告書です。
購入した当初からその写りに驚いたレンズでしたが、診断結果が物語るようにアタリの個体だったようです。
そしてEOS 5D Mark IVでは若干の前ピン、EOS 7D Mark IIでは若干の後ピン傾向だったのが、きっちり調整されていました。

EF24-70mm F2.8L II USM

2本目のレンズEF24-70mm F2.8L II USMの報告書です。
他のレンズの解像が凄すぎてこのレンズの解像感はイマイチに感じていましたが、光学精度自体は良好だったようです。
私自身は気が付いていませんでしたが、ズームリングに若干のガタツキがあったらしく、そこは流石プロ。グリスアップとコロの交換でズームリングの回転はしっとりした感じになりました。
ちなみにこのレンズは直進キーが摩耗してくると片ボケするらしいのですが、今回は交換しなかったので、その意味でもレンズのコンディションはまずまずと言った感じだったのではないかと思います。
また、カメラに対してはいずれも後ピン傾向だったようですが、ここでもきっちり調整されていました。

EF70-200mm F2.8L IS III USM

3本目のレンズ[EF70-200mm F2.8L IS III USMの報告書です。
マウントラバーの欠けは私も気が付いていたので事前に交換を依頼しています。しかしこのマウントラバーの部品代はなんと2000円。ボディのグリップラバーより高いとは驚きでした。
そして私は片ボケ・芯ズレがあった事には全く気が付いていなかったので、今回のゼロカスタムで悪いところが洗い出せて良かったです。
ピント調整結果はご覧のとおりで、カメラに対してはいずれも若干の後ピン傾向だったようです。

EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

最後にEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMの報告書です。
技術未講習機種が故にレンズ診断結果が「規格内と思われる」という表現なのはちょっと悲しいですが、プロの目を信じることにしました。
EOS 5D Mark IVとの組み合わせではワイド側でだいぶ前ピンだったようですが、このレンズはワイド端で撮影することはあまりないので前ピンには全く気が付いていませんでした。

ちなみにこのレンズはズーム時の鏡胴の伸びが大きい分、内部にゴミが侵入しやすいような気がします。なので現状で内部にはそこそこゴミが入り込んでおり、これを分解清掃してもらえなかったのはかなり残念でした。なにせ似た大きさのEF70-200mm F2.8L IS III USMは内部もピッカピカなので、写りには影響しないと分かりつつもそれと比べるとちょっと凹みます。

試写

最後にH.C.S. ゼロ・カスタム後のボディ・レンズで撮った写真をご紹介。ピントや解像は当然問題はありません。
元々大きな不満があった訳ではありませんが、完璧に調整されているという安心感は絶大です。

ESO 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

ESO 5D Mark IV + EF16-35mm F2.8L III USM

ESO 5D Mark IV + EF24-70mm F2.8L II USM

ESO 5D Mark IV + EF24-70mm F2.8L II USM

ESO 5D Mark IV + EF24-70mm F2.8L II USM

ESO 5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS III USM

ESO 5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS III USM

ESO 5D Mark IV + EF70-200mm F2.8L IS III USM

ESO 5D Mark IV + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

ESO 5D Mark IV + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

EOS 7D Mark II + EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM

EOS 7D Mark II + Tokina AT-X 11-20 PRO DX

注意事項

これらの記事には私の推測や不確かな情報も含みます。また、ご紹介したものの中にはメーカ廃盤のものもありますのでご了承下さい。

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