なじょんしょば

99年式GSX1300R、自作オーディオ、カメラに関するあれこれ

Healtech シフトインジケータ GIpro S02RED

紹介

ハヤブサオーナーならば、1~3速3,500rpm以下の回転域でアクセルを開け始めたときに発生するドンツキ(アクセルのツキが良すぎて一瞬ドンと車体が前に押し出される現象)に悩まされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
99~01年式まではECUが16bitで、02年式以降の32bitECUに変更されてからは随分マイルドになったと聞きますが、それでもその症状は無くなったわけではありません。

ハヤブサ(スズキFI車全般)は1~4速時はトルク規制がかけられており、エンジンの出力特性を穏やかにしてバイクの扱いやすさを向上させたり、騒音規制に対応させたりしているようです。特に1~3速がそれを顕著に感じます。
このトルク規制が曲者で、それにより前述のドンツキが発生するとの噂を耳にしました。そしてそのトルク規制を解除できるものがこちら。

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Healtech製のシフトインジケーターで型式はGIpor S02REDです。価格は18,000円ほどだったと思います。
こちらの製品はシフトインジケーターなのですが、それにプラスしてTRE(Timong Retard Eliminator=トルク規制解除)機能が備わっています。
私はシフトインジケーターの機能が欲しかったわけではなく、このTRE機能に着目してこちらの製品を導入しました。

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発光色は赤と青がラインナップされていますが、視認性を優先するなら赤色の方が良いとのこと。
また、TRE機能が欲しいだけならNIKKO RACING G-Packなどの選択肢もあったのですが、実はこちらの方が価格が高く、それならばシフトインジケーターとしても使えるGIproの方が良いと判断したわけです。

肝心のトルク規制解除の仕組みですが、トルク規制はECUが1~4速を認識している時のみ作動するので、ECUに5速/6速という信号を送ればトルク規制は解除されます。ということでギアポジションセンサーとECUの間にGIproをかませ、実際は1~4速でもECUには常に5速/6速という情報を送り続けるこの機能がTREの仕組みです。

GIproではTREオフ、4速モード、5速モード、6速モードが選択可能で、5速モードがパフォーマンス的に最も優れると取扱説明書には書いてあります。
また、表示輝度も調整できますが、基本的に自動輝度調整機能が備わっているので日光の下では最大輝度、トンネル内では最低輝度へ自動的に輝度を変更してくれるのであまり触ることは無いかもしれません。

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取り付けは、まずタンクアップさせて、写真に示すギアポジションセンサーのカプラーを探します。

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ギアポジションセンサーのカプラを外して、それぞれにGIproのカプラーを指し込みます。スズキ車では無加工カプラーオン、カワサキ社ではピンを1本抜く必要のある車種もあるようです。
そしてGIpro側から黒色のハーネスが1本出ているので、こちらをバッテリーのプラス端子に接続します。

ちなみに待機電流が5mAほどあるので、バッテリー直結よりもリレーを介したりアクセサリー電源から電源を取った方がバッテリー上がりを防止できます。
私は面倒なのと冬の間はバッテリーを外してしまうのでバッテリー直結にしました。

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あとはメインハーネスに沿ってメーター付近まで配線し、矢印の部分でハーネスの余り分を丸めて長さ調整しました。

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取付場所はタコメータとオド/トリップメータの間で、付属の両面テープで固定しています。もう少しカッコ良くなるように固定したかったのですが、思いのほか設置場所が無くてWebサイトでも紹介されているこの位置にせざるを得ませんでした。
また、GIpro自体は防水ではなく防滴程度なので、直接雨にさらされる場所には設置しないほうが無難でしょう。私は洗車の時もビニールなどで養生します。

インプレッション

トルク規制解除ということで1~3速が凶暴化するのではないかと最初は不安に思ったのですが、思いのほか普通に乗れます。
むしろドンツキが無くなり、エンジン回転上昇もかつての回転だけ上がってパワー感が今ひとつという症状もなくなり、かなり乗りやすくなりました。

一応4速、5速、6速モードの3つを試したのですが、4速モードは確かに5速モードに比べてパワー感が減ります。ただ、ノーマルよりもドンツキは軽減されているような気がしました。
5速、6速モードの違いはあまり分からなかったので、とりあえず5速モードで常用しています。

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ついでにシフトインジケーターとしての機能ですが、シフトチェンジに遅れることなくリニアに表示が切り替わります。
自動輝度調整は多少ディレイが感じられますが、ちゃんとトンネルの内外で輝度が変化することが見た目に感じられますし、反応速度を除けば上出来なのではないでしょうか。
また、最初は不要だと思っていたんですが、いつでもギアポジションが確認できるというのは実に便利な事で、いまではかなり重宝しています。

ハヤブサのトルク規制は意図的に点火時期を遅角にするで制御しているようなのですが、私の予想ではガソリンも薄くしているのでは無いかと思っています。ガソリンを薄く⇒馬力低下&ノッキング⇒ノッキング防止&更に馬力低下のため遅角点火といった具合に。
キャブレターセッティングでもガスが薄いとアクセルのツキが良すぎてギクシャクすることがありますし、それに通ずるものがあるなと思った次第です。

特に旧型ハヤブサはシングルインジェクター&シングルバタフライなので、現代のバイクほどきめ細かい吸気・燃調が出来ません。
ダブルバタフライならばセカンダリーバタフライはECUによるサーボ駆動なので、スロットルオープン⇒プライマリーバタフライオープン⇒意図的に遅らせてセカンダリーバタフライオープンといったように、ECU側で吸気制限=出力制限をかけることが出来ます。
ということで旧型ハヤブサの遅角&ガソリン制限によるトルク規制は当時の苦肉の策だったのかもしれません。

いずれにせよ、見た目的にも体感的にも大きな変化をもたらしてくれるGIproはかなりオススメな製品です。

注意事項

これらの記事には私の推測や不確かな情報も含みます。ご紹介したものの中にはメーカ廃盤のものもありますのでご了承下さい。
また、整備不良は生命の危険に直結する恐れがありますので自己責任でお願いします。