この回路図は全部品を網羅したものなので、これらの部品を取捨選択することにより以下の3タイプを試作することにします。コンセプトは以下の通りです。
【Model 1】
オリジナル版をデチューンした低出力タイプとし、選定した各部品の動作確認を目的として製作。
オリジナル版をデチューンした低出力タイプとし、選定した各部品の動作確認を目的として製作。
調査ではオリジナルに対していずれも大きな容量の電解コンデンサを使用していました。
その中でも最大のものは「100μF 35V」だったので、Model 1~3もそれに倣いました。しかし電気の世界で大は少を兼ねるということは無いと思いますし、この選択が正しいのかは不明です。
その中でも最大のものは「100μF 35V」だったので、Model 1~3もそれに倣いました。しかし電気の世界で大は少を兼ねるということは無いと思いますし、この選択が正しいのかは不明です。
調査では殆どの事例が0.0022μFの容量を選択していました。しかしこれはt1、t2に影響するので製作者の設計次第で選択が変わります。
Model 1~3では主にR1、R2でt1、t2をコントロールするつもりだったので、オリジナルや他の作例と同じく0.0022μFを選択しました。
Model 1~3では主にR1、R2でt1、t2をコントロールするつもりだったので、オリジナルや他の作例と同じく0.0022μFを選択しました。
【C3:積層ポリエステルフィルムコンデンサ】
オリジナル:0.047μF
調査結果:0.022μF、0.047μF
Model 1:0.022μF
Model 2:0.022μF
Model 3:0.047μF
オリジナル:0.047μF
調査結果:0.022μF、0.047μF
Model 1:0.022μF
Model 2:0.022μF
Model 3:0.047μF
C3はQ1のスピードアップコンデンサなので容量を大きくすればQ1のターンオフ時間を短くできます。
Medel 1、2ではそれほど強いパルスを求めていないので0.022μFとし、Model 3では強いパルスを発生したかったのでオリジナルと同じ0.047μFに設定しました。
使用するQ1に対して計算したり検証したりして決めるコンデンサなのだと思われますが、残念ながら私にはそのスキルがありませんでした。
Medel 1、2ではそれほど強いパルスを求めていないので0.022μFとし、Model 3では強いパルスを発生したかったのでオリジナルと同じ0.047μFに設定しました。
使用するQ1に対して計算したり検証したりして決めるコンデンサなのだと思われますが、残念ながら私にはそのスキルがありませんでした。
オリジナルは比較的小容量かつ耐圧の低いものが使われています。
それに対して調査では470μFが主流であり、耐圧もオリジナルより高いものが使用されている傾向にありました。
発生したパルスの電圧を考慮するとオリジナルの16Vでは心許ないところがあるのかもしれません。
Model 1~3では調査した中では最大・最高耐圧の「470μF 50V」を採用しました。ちなみに電解コンデンサは容量と耐圧に比例して外形寸法が大きくなります。
デサルフェーター自体をコンパクトに仕上げたい場合はこの選択はオススメしません。
それに対して調査では470μFが主流であり、耐圧もオリジナルより高いものが使用されている傾向にありました。
発生したパルスの電圧を考慮するとオリジナルの16Vでは心許ないところがあるのかもしれません。
Model 1~3では調査した中では最大・最高耐圧の「470μF 50V」を採用しました。ちなみに電解コンデンサは容量と耐圧に比例して外形寸法が大きくなります。
デサルフェーター自体をコンパクトに仕上げたい場合はこの選択はオススメしません。
D1は逆回復時間の短いファストリカバリダイオードを選定する必要があり、順電流も数Aは欲しいところです。
オリジナルのGI826CTは日本国内での入手は難しく、多くの作例では「31DF2」が使用されていました。これは逆電圧200V、順電流3A、逆回復時間30nsと十分なスペックであり、入手性も良いのでオススメです。
以上の理由によりModel 1~3でも「31DF2」を採用しました。
オリジナルのGI826CTは日本国内での入手は難しく、多くの作例では「31DF2」が使用されていました。これは逆電圧200V、順電流3A、逆回復時間30nsと十分なスペックであり、入手性も良いのでオススメです。
以上の理由によりModel 1~3でも「31DF2」を採用しました。
これはModel 2専用部品で、このZD1によりQ2をON/OFFさせます。
選択したZD1の仕様は11.9~12.4Vで、これによりバッテリー電圧が左記の値を上回った時にQ2をONしてデサルフェーター全体を作動させます。
車載用としてはバッテリー過放電防止機能が必要と考え、このような部品を追加しました。
選択したZD1の仕様は11.9~12.4Vで、これによりバッテリー電圧が左記の値を上回った時にQ2をONしてデサルフェーター全体を作動させます。
車載用としてはバッテリー過放電防止機能が必要と考え、このような部品を追加しました。
外部電源による電源供給可能なModel3ですが、想定よりも高い電圧が加わった場合でも回路の11.9~12.4Vに保てるよう働くようです。
しかし実際に機能するのかは不明ですがとりあえずModel 3に採用しておきました。
しかし実際に機能するのかは不明ですがとりあえずModel 3に採用しておきました。
L1には比較的大きな電流が流れるので選定に当たっては電流値の大きな物を選ぶ必要がありますが、トロイダルコイルの入手性は非常に悪くあまり選択肢が無いのが現状です。
また、どれほどのインダクタンスが必要なのかも良く分からないのですが、幸いにもオリジナルに比較的近い値のものを入手できたので「200μH 9A」を採用しました。
購入先は電気・電子部品格安販売のメッカである秋月電子通商です。
また、どれほどのインダクタンスが必要なのかも良く分からないのですが、幸いにもオリジナルに比較的近い値のものを入手できたので「200μH 9A」を採用しました。
購入先は電気・電子部品格安販売のメッカである秋月電子通商です。
【L2:インダクタ(チョークコイル)】(Model 1、2共通)
オリジナル:1000μH 0.1A
調査結果:430μH 2A、300μH 不明、540μH 1A
Model 1~3:470μH 0.9A
オリジナル:1000μH 0.1A
調査結果:430μH 2A、300μH 不明、540μH 1A
Model 1~3:470μH 0.9A
こちらは発生したパルスをバッテリ以外に伝播しないようにするためのフィルタですが、オリジナルも含めて同じ仕様の物はありませんでした。
また、どの程度のインダクタンス、電流値が必要なのかさっぱり分かりません。そんな状況でしたので、作例にあったインダクタンス・電流値の中間値である「470μH 0.9A」としました。
電流値に関しては大きい方が良いと思われますが、そうするとインダクタンスが小さい物しか選択できず、こちらも選定の選択肢が少ないように思われます。
また、どの程度のインダクタンス、電流値が必要なのかさっぱり分かりません。そんな状況でしたので、作例にあったインダクタンス・電流値の中間値である「470μH 0.9A」としました。
電流値に関しては大きい方が良いと思われますが、そうするとインダクタンスが小さい物しか選択できず、こちらも選定の選択肢が少ないように思われます。
これはQ1の動作に連動して点灯させるLEDで、デサルフェータの動作確認用として機能します。
調査では使用例はたくさんあるものの、LEDの型式まで明記してある使用例はありませんでした。
というわけで私も適当に選定したのですが、計算してR6を選定する関係もありますので順方向電圧、順方向電流の調べが付くものにして下さい。
調査では使用例はたくさんあるものの、LEDの型式まで明記してある使用例はありませんでした。
というわけで私も適当に選定したのですが、計算してR6を選定する関係もありますので順方向電圧、順方向電流の調べが付くものにして下さい。
Q1の特性としては、耐圧60V以上、ON抵抗が低くターンオフ時間が短い物が望まれます。ターンオフ時間が長いと鋭いパルスが生成できず、高いパルス電圧を作れない可能性があります。
オリジナルのIRF9Z34は日本国内での入手は難しいので、作例の殆どが国産の2SJ~のMOSFETを使用していました。
また、2SJ~ですのでPチャネルMOSFETになり、この時点で選択肢は結構狭まります。
オリジナルのIRF9Z34は日本国内での入手は難しいので、作例の殆どが国産の2SJ~のMOSFETを使用していました。
また、2SJ~ですのでPチャネルMOSFETになり、この時点で選択肢は結構狭まります。
2SJ334は耐圧が30Vと少し不安がある仕様で、2SJ464は最適、2SJ471はターンオフ時間が遅めで少し不安という仕様でした。
私の場合、幸いにも「2SJ349」を入手できることができ、これは耐圧・ターンオフ時間共に申し分ない仕様でしたのでこちらを使用することにしました。
私の場合、幸いにも「2SJ349」を入手できることができ、これは耐圧・ターンオフ時間共に申し分ない仕様でしたのでこちらを使用することにしました。
前述の通り、Q2はバッテリー電圧が降下するとデサルフェーターの動作を自動的に停止するために追加したトランジスタです。
調査によると汎用トランジスタである「2SC1815」を使っていたのでそれに倣いました。末尾の「Y」ですが、これは2SC1815にいくつかの仕様が存在するためで、特に気にすることはないと思います。
調査によると汎用トランジスタである「2SC1815」を使っていたのでそれに倣いました。末尾の「Y」ですが、これは2SC1815にいくつかの仕様が存在するためで、特に気にすることはないと思います。
【R1:炭素皮膜抵抗】(共通設計)
オリジナル:470kΩ 1/4W
調査結果:220kΩ 1/4W、300kΩ 1/4W、220kΩ 1/4W
Model 2:220kΩ 1/4W
オリジナル:470kΩ 1/4W
調査結果:220kΩ 1/4W、300kΩ 1/4W、220kΩ 1/4W
Model 2:220kΩ 1/4W
t1に大きく影響する抵抗ですが、オリジナルより動作周波数を高めたものを製作したかったこともあり、動作周波数が2kHz以上となるよう「220kΩ」を選択しました。
「1/4W」とは抵抗のワット数で数字が大きければ大きなサイズの抵抗になりますが、このような回路では1/4Wで十分です。
「1/4W」とは抵抗のワット数で数字が大きければ大きなサイズの抵抗になりますが、このような回路では1/4Wで十分です。
【R2:炭素皮膜抵抗】
オリジナル:22kΩ 1/4W
調査結果:3.3 kΩ 1/4W、6.2kΩ 1/4W、9.1kΩ 1/4W、22kΩ 1/4W、30kΩ 1/4W
Model 1:9.1kΩ 1/4W
Model 2:3.3 kΩ 1/4W
Model 3:22kΩ 1/4W
オリジナル:22kΩ 1/4W
調査結果:3.3 kΩ 1/4W、6.2kΩ 1/4W、9.1kΩ 1/4W、22kΩ 1/4W、30kΩ 1/4W
Model 1:9.1kΩ 1/4W
Model 2:3.3 kΩ 1/4W
Model 3:22kΩ 1/4W
t2に大きく影響する抵抗ですが、Model 1ではオリジナルよりt2を短くして安全サイドに設計することとし、「9.1kΩ 1/4W」を選択しました。
Model 2では車載を考慮してさらにt2を短く=弱いパルス電圧とするべく「3.3 kΩ 1/4W」を選択しています。これは車載用の作例で採用していた値なのでそれに倣ったわけですが、車載とする場合はバッテリーにECUなどが接続されていますのてあまり高い電圧にするのは危険と思われます。
Model 3では少なくともオリジナルと同等の性能が望めるよう同じく「22kΩ 1/4W」を採用しています。
Model 2では車載を考慮してさらにt2を短く=弱いパルス電圧とするべく「3.3 kΩ 1/4W」を選択しています。これは車載用の作例で採用していた値なのでそれに倣ったわけですが、車載とする場合はバッテリーにECUなどが接続されていますのてあまり高い電圧にするのは危険と思われます。
Model 3では少なくともオリジナルと同等の性能が望めるよう同じく「22kΩ 1/4W」を採用しています。
【VR2:半固定抵抗】(Model 3のみ)
オリジナル:なし
調査結果:100kΩ
Model 3:100kΩ 1/4W
オリジナル:なし
調査結果:100kΩ
Model 3:100kΩ 1/4W
これは抵抗のツマミを回すと抵抗値が0~100kΩまで可変できる抵抗で、R2と直列に接続することでR2+VR2の抵抗値となり、t2を可変できるよう追加しました。
t2を大きくしすぎると壊れるもとになりますので、100kΩぐらいが適当ではないでしょうか?
Model 3は更なる出力アップの可能性を模索するため、このようなVR2を追加しました。
t2を大きくしすぎると壊れるもとになりますので、100kΩぐらいが適当ではないでしょうか?
Model 3は更なる出力アップの可能性を模索するため、このようなVR2を追加しました。