オペアンプチェンジニア再び
真空管に引き続き、性懲りもなくオペアンプによる聴き比べもやってみました。今回はV-AMPのみの交換です。
視聴条件は以下の通りです。
DAC:FET式USB DAC
Source:WAVE(無圧縮) @ foobar2000 WASAPI output
HP:audio-techinica ATH-500
真空管:TOSHIBA 6189/12AU7WA 通測用
C-AMP:NJM4556AD
電源:トランス式
上記構成でV-AMPにNJM5532DDを使用した場合を基準にどう音質が変化したかを考察しました。
そして今回用意したオペアンプは、
新日本無線のMUSES 8820とMUSES 8920です
それでは以下、感想です。
MUSES 8820
言わずと知れた新日本無線が音質にこだわって作り上げた高級オペアンプMUSES 02の普及価格版。いきなり3000円を超えるオペアンプを試す勇気はないのでまずは1つ500円程度のこちらを試してみることに。
全体的な印象としてはNJM5532DDに対してすべての面においてランクアップを果たした感じです。音の分解能が高くてここの楽器の音が聞き分け易くなり、ボーカルの艶や響きも良くなり、透明感もアップ。
これを聞くとNJM5532DDにはもう戻れません。NJM5532DDはなにか薄いベールが1枚掛かっていたような感じに聞こえ、それに対してNUSES 8820はまるで霧が晴れたような印象を受けました。
後述するMUSES 8920と比べるとボーカルが前に出てきて全体的にエネルギッシュで賑やかな感じがします。ボーカルの活き活きとした感じではこちらの方に軍配が上がります。ただし、MUSES 8920と比べると曲によってはMUSES 8820の方が高音が若干耳に刺さるような印象を受けることもありました。
MUSES 8920
先に紹介したMSUES 8820に対し、こちらはMUSES 01の普及価格版。そしてあちらはバイポーラ入力ですがこちらはFET入力になります。
高音は非常に綺麗に伸び、かといって耳に刺さる感じもなくかなり良い感じ。低音は驚くほど出ていて、高音域よりもインパクトがありました。しかも嫌味じゃないので聴いていて疲れません。
MUSES 8820の中高域のキラキラ感に比べるとMUSES 8920はややあっさりした印象ですが、私的にはMUSES 8920の音質バランスの方が好みです。
MUSES 8820は同じバイポーラ入力のせいかNJM5532DDの延長にあるような印象ですが、MUSES 8920は全く系統が異なる音質です。また、今まで試したどのオペアンプとも似ていないような気がします。
と言うことで真空管と違って今回のチェンジニアは大正解。NJM5532DDを使っていた頃はHPA-12に比べると薄いベールが1枚掛かったような若干曇った音質だったのですが、この点については同等のレベルにまで達したかなと。
また、MUSES 8820とMUSES 8920どちらが良いかは完全に好みの問題で、どちらを選んでもNJM5532DDを使った時よりも幸せになれると思います。
ちなみに私ははMUSES 8920を常用することにしました。低音の切れと中高音のバランスが心地良いです。そして0dB HyCAAを使った後にHPA-12を使うとちょっと低音が物足りないと感じることも(苦笑)