随分と時間が経ってしまいました
長らくテストベンチの状態で運用してきた0dB HyCAAヘッドホンアンプですが、重い腰を上げてようやくケースに収納する運びとなりました。ちなみにテストベンチは2016年6月に完成していますので実に3年も経過しています。
他のヘッドホンアンプに比べて利用頻度も低いのでついつい放置してしまっていましたが、忘れていた訳ではありませんので念のため。
まずはこの状態から分解です。
今回は電源トランスに秘蔵のTRS-12を使用するので、テストベンチから移植するのはアンプ基板と電源基板のみとなります。
そしてまずは電源基板の改造を。
テストベンチで作った電源基板のヒートシンクはその場しのぎで取って付けただけの状態で、サイズも小さいものなので動作時は温度がかなり上昇します。と言うことでより大型のヒートシンクにし、かつ基板にビス止めできるようにヒートシンクの端面にM2タップを切りました。
ちなみにヒートシンクにかしめられている基板固定用ピンをペンチで引き抜き、その穴を利用してM2のタップを立てています。
そしてトランジスタを固定するためのM3タップも追加しました。
寸法はご覧のとおりです。
トランジスタにはPCのCPUクーラーに使用する高熱伝導グリスを使用。ただし、放熱性能の向上を狙ったわけではなく、単に手持ちの放熱グリスがこれしかなかったという消極的な理由です。
ケースはHPA-12と同じタカチのKCS型オールアルミケースを使うことにしました。ただ、オーダー仕様が変更され、金額の関係からケースの奥行きは249mmというキリの悪い数字になってしまいました。実は奥行きが250mmを超えると金額がアップするのです。
リアパネルのレイアウトはHPA-12と完全に同一、フロントパネルは電源スイッチ直上のLEDインジケータを廃止し電源スイッチの位置もボリュームと同じ高さになるよう小変更しています。
目新しい特徴としては電源基板のヒートシンク冷却用にφ6の放熱穴を設けたことぐらいでしょうか。
ケース加工
加工寸法は数のとおりです。
ということでいざ加工。
いつものように穴位置を印刷した紙をケースに貼り付けます。
そして放熱穴をなるべくきれいに加工したかったので、ボール盤のテーブル拡張治具を製作して加工に挑みました。
が、ドリル先端のブレや材料固定位置の誤差などが重なって、放熱穴の整列の仕上がり具合に不満が残りました。特にケースのボトム側の仕上がりは材料固定の不備もあって惨憺たる結果に。
自分が納得できる穴位置の誤差は恐らく0.1mm程度。今後はこの精度を実現するためにボール盤の更なる改良と、自身の加工技量の向上が必要だと痛感した次第です。