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99年式GSX1300R、自作オーディオ、カメラに関するあれこれ

トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版(基板製作後編)

基板実装の小技

基板実装の続きです。

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前回、0.45mm径の銅線を使って端子台を製作したと書きましたが、その具体的な製作方法についてご紹介したいと思います。

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まず30mmぐらいに切った銅線を細先リードペンチで把持します。このとき銅線はケチらずに長めに切った方が失敗しにくいです。
さらに細先リードペンチの中ほどで把持するのがコツで、先端の方で把持しないでください。

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次に銅線を半周ずつ曲げて、輪っか状にします。

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一度銅線を細先リードペンチから取り外し、180度反転して把持します。

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銅線を輪っかの反対側に曲げて加工完了です。

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最後に余分なリードを切り落とし、基板に実装してはんだ付けします。これで基板をケースに取り付けた状態でも配線をはんだ付けできるようになりました。

スペーサの自作

端子台以外にも自作した部品があります。
それは終段トランジスタヒートシンクに使用するビスのスペーサで、通販も含めてイロイロ探しましたが適当なものが見つからず、仕方なく自作することにしました。素材はφ3×φ5のアルミパイプで、これを長さ3mmカットします。

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というわけで、アルミパイプをカットするためにご覧の治具を急ごしらえしました。

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切断砥石を取り付けたルーターでアルミパイプを切断するという算段です。
しかしながら、斜めにならないように綺麗に切断するのがこれまた非常に難しい。

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仕方がないので少し多めに切り出し、やすりで形を整えて高さが揃っている4つのペアを選別しました。まさかトランジスタ以外に選別しなくてはならない部品があるなんて。
ちなみに旋盤があれば簡単に作ることができます。ボール盤でも刃物と刃物台を用意できれば楽に作れそうですが、流石にそこまで用意はできませんでした。

終段トランジスタの実装

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トランジスタに熱伝導グリスを塗布します。
ちなみに使ったのは0dB HyCAAヘッドホンアンプで使ったときのものと同じ。そして同様にグリスを塗り広げることはせずに、センターウ○コ方式とします。

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ヒートシンクトランジスタを取り付けてネジを締め込むと、ご覧のようにグリスが勝手に広がります。これだけで薄く均一にグリスが伸びるので、わざわざ塗り広げてムラが出来るリスクを負うよりも良いかなと思います。

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そして先ほどの自作スペーサを利用してトランジスタヒートシンクを基板に固定します。使用したビスは+なべM3×8-2P(M3×4,P=2 座金組み込み十字穴付きなべ小ねじ 真鍮製ニッケルメッキ仕上げ)です。

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まずはLchのみ部品実装を完成させました。
Rchは抵抗やコンデンサ実装済みですが、半導体類は実装していない状態です。
基板を手に取ってみるとズシリと重みを感じる今までにない重量感。FET式差動バランス型ヘッドホンアンプが可愛らしく感じるほどです。
電源部で実装ミスを犯した反省から、この後の通電テスト前にLchの実装が間違っていないか、実物と実装図を見比べつつ回路図を蛍光ペンでなぞって、問題ないことを慎重に確認しました。

動作テスト

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今回の測定点はなんと18点にも及びました。
そして基板にテスターのプローブを直接当てて測定するのはショート事故の可能性が非常に高いと感じたため、ご覧のようにICクリップ&ワニ口クリップ式のテストリードを利用して測定に挑みました。

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Rch側も部品を実装し、同様に測定します。
LchもRchも特に問題もなく、動作テスト前の確認作業が功を奏したのだと思います。
動作テストの結果はテスト編で。

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