なじょんしょば

99年式GSX1300R、自作オーディオ、カメラに関するあれこれ

トランジスタ式ミニワッターPart5 19V版(基板テスト編)

測定方法

動作テストの詳細です。

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上記の18点を測定点としました。

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実際の基板での測定点はご覧のとおりです。
⑫、⑯、⑰、⑱はICクリップをトランジスタのリードに直接接続しています。これがなかなか苦しい作業でした。

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基板にICクリップを18本も接続するとご覧のとおりカオスな状態になります。
しかしこれを見ると、テスターのプローブを各測定点に当てるのがいかに無謀なことなのかが良く分かりました。

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ICクリップに対してワニ口クリップ側はご覧のとおり整然としています。
ダンボールにワニ口グリップを噛ませて整列させ、ダンボールには①~⑱の番号を書いておきました。これで測定ミスは大幅に減りますし、測定時間も大幅に短縮できます。
良い仕事のためにはしっかりとした段取りを。

測定結果

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測定結果はご覧のとおりです。
1回目は電源投入直後、2回目は1回目の測定の直後の値です。
1回目は終段トランジスタのエミッタ抵抗の電圧(⑦-⑪、⑪-⑧)が高い=アイドリング電流が多いですが、2回目は各部品が温まってきて1NU41による温度補償(⑨-②、⑩-②)も効きはじめ、終段トランジスタのエミッタ抵抗の電圧が低くなってアイドリング電流が下がってきている様子が良く分かりました。
今回の測定は低めの室温であること、ケースに入れていないこと、熱的平衡状態ではないことを考慮すると、各部の電圧は概ね仕様通りであると思われます。

基板完成

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完成した基板の全容はご覧のとおりです。
ヘッドホンアンプと違ってパワーアンプなので各実装部品が大きく、数も多いので非常に作りごたえがありました。FET式差動バランス型ヘッドホンアンプの製作経験がなければ今回の製作は困難を極め、失敗していたかもしれません。何事もステップアップが重要だと感じました。

また出力2Wとは言え、パワーアンプなのに部品点数が驚異的に少ないような。トランジスタの数で言えばHPA-12ヘッドホンアンプの方が多いぐらいです。
そう考えると6N6Pシングルミニワッターの部品点数の少なさたるや・・・。高電圧を扱うこととトランスが必要なことを除けば、真空管アンプの方がむしろ超シンプルに思えます。

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最後に今回の基板製作における奮闘の名残を。
基板に通電する前までに回路図や実装図に書き込んだマーカーの数がハンパないことに。それでも今回は電源部でミスを犯しました。恐るべしトランジスタ式ミニワッターPart5 19V版です。
ぺるけ氏のおっしゃるとおり、アンプの自作が初めての方はトランジスタ式ミニワッターPart2から始めるのが無難なような気がします。一気に高みを目指すのではなく、製作難易度の低いところからスタートして徐々に難しい作品を作り、レベルアップしていくのも楽しいと思います。また、製作難易度が低いからといって、そのアンプの音のレベルが低い訳ではないですから。

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