なじょんしょば

99年式GSX1300R、自作オーディオ、カメラに関するあれこれ

HPA-12ヘッドホンアンプ(テストベンチ-Class A Ver.)

  チェンジニア

HPA-12基板は2枚購入したので、1枚はBasicバージョンで製作したのは前回のレビューのとおりです。実はこのHPA-12にはBasicバージョンの他に下記のバリエーションを選択して製作することが出来ます。

 

FET入力完全DCヘッドホンアンプ
ミニパワーアンプ(1W+1W)
サンスイ907サウンドチューニング
純A級ヘッドホンアンプ(バイポーラ入力)
純A級ヘッドホンアンプ(FET入力)

 

もう1枚持っている基板をどのバージョンで製作するか検討したことろ、FET入力とサンスイは初段TR/FETの選別が必要なので今回はパス。スピーカーを持っていないのでミニパワーアンもパス。と言うわけで自然な流れで純A級ヘッドホンアンプ(バイポーラ入力)を製作することにしました。

 

イメージ 1

実装部品は指定どおりのものを使用し、電解コンデンサやマイカコンデンサもBasicバージョンと全く同じです。Basicバージョンから追加となるコンデンサは以下のものを使いました。

 

C1ext,C2ext:2A-UPZ-102JE(東信工業 1000pF/100V)
C8,C58:MMT223(ニッセイ 0.022uF50V)

 

というわけでBasicバージョンとの違いは主に終段トランジスタの違いになります。

 

イメージ 2

C1ext,C2extの実装方法はご覧のとおりです。
Q11、Q13に刺さっているのが今回の終段トランジスタ。2SC3421と2SA1358で、2SC1815と2SA1015と比べるとその大きさは立派。大きいだけあって当然出力も高いわけですが、この余裕を出力アップに使わず贅沢な純A級動作(Class A)にしたというのが最大の特徴でしょうか。

 

イメージ 3

完成した基板をテストベンチに載せていざ試聴。
音の傾向はBasicバージョンと同じです。音がクリアで抜けが良い感じと音の消える余韻の素晴らしさはそのままに、更にボーカルに艶が出ています。
Basicバージョンとの違いを感じられたのは特にAerosmithを聞いた時で、絢香HYなどの女性ボーカルの曲よりもその差が大きく感じました。Steven Tylerのセクシーな曲とロックサウンドがこれほどまでに気持ち良く聞けるとは。

 

ちなみにこの試聴レビューを読んでいるとBasicバージョンから大幅に音質が上がった!!と捉えられそうですが、実際はその人の感性によるので聞き比べても「大差が無い」という感想を持つ方もいらっしゃると思います。これはそもそもBasicバージョンの音質がとても良いことが原因の一つでもあると思いますが。
しかし音質の極小さな変化をさも大きく変化したように語るのがオーディオマニアに真髄だったりするのかもしれません(笑)

 

私もそんなに良い耳と感性を持っている訳ではないので、試聴直後はその変化にあまり気が付けないことも。また、毎日ヘッドホンで音楽を聴いている時期とそうでない時の耳の敏感さも違うような気がします。
毎日同じヘッドホンアンプを使い続けており、そこでいきなりヘッドホンアンプを交換すると音質の違いを体感しやすいです。

 

いずれにせよHPA-12 純A級ヘッドホンアンプはかなりのお気に入りとなりました。Basicバージョンとどちらか1枚を選べと言われたら純A級を選択します。
しかし純A級の名のとおり電力消費が多くかなり発熱するので、トランジスタ素手では触り続けられないほど熱くなり、近傍のコンデンサもかなり温かくなります。この基板をケースに収める際には寿命を考慮して放熱設計を施したいと思います。