なじょんしょば

99年式GSX1300R、自作オーディオ、カメラに関するあれこれ

HPA-12ヘッドホンアンプ(テストベンチ-Basic Ver.)

  チェンジニア

まず1枚目に製作したHPA-12はその基本であるBasicバージョンで製作しました。
ただし、8ピンソケットを加工してトランジスタや抵抗を交換出来るようにしてあります。

 

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と言うわけで、各部品を交換した際の試聴レビューをしたいと思います。

  初期設定

まずはたかじんさんが指定している通りの定数で試聴しました。
私が使った事があるヘッドホンアンプはFET式差動ヘッドホンアンプだけなのでそれとの比較になりますが、低音・低域の量感と言うか元気の良さはHPA-12に軍配が上がります。全体的に躍動感があるというかそんな感じがしました。
個々の楽器の音も細かく聞き分けられますし、音の消える余韻と言うか残響の表現も素晴らしいです。

 

全体的な落ち着きと言った面ではFET式差動ヘッドホンアンプが有利なように思います。長時間聞いていて聞き疲れしないのはFET式差動ヘッドホンアンプの方かもしれませんが、HPA-12が悪いという訳ではなく強いて言えばの話です。
どちらもそれぞれに良く、甲乙付け難いのが正直なところです。

  初段TRを2SC1815へ変更

 

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そもそもこのアンプはA1015/C1815フルディスクリートヘッドホンアンプが原典で、使用するトランジスタは2SA1015と2SC1815の2種類という制約でスタートしています。
その原典の音を聞いてみたくて初段トランジスタを2SC1815へ、初段負荷抵抗R3,4,53,54だけ1.5Ω→2kΩへ変更。DCオフセットが6mA以下に下がらなかったのですが、まあ実用上問題ないと判断していざ試聴。
普通に良い音でFET式差動ヘッドホンアンプよりも元気と言うか載りが良いと言うかそんな印象を受けました。これがバイポーラトランジスタの音というものなのでしょうか。

 

2SC1815のままでも良いのでは!?と思いましたが、再び2SC2240へ戻して試聴すると、やはり2SC2240の方が上手でした。音がクリアで抜けが良い感じがして音の消える余韻が素晴らしいです。
2SC2240の音を聞くと2SC1815には戻れないというのも納得の結果となりました。

  初段電流値の変更(二段エミッタ抵抗値の変更)

 

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R14,64の抵抗値を470Ω→330Ω(1.5 mA→1.1 mA)へ変更してみました。
低域があっさりすると解説されていましたが、まさにそのとおりでした。聞きやすいと言えば聞きやすいのですが、女性ボーカルの響きや抜けもすこし曇った感じになり、悪く言えばモッサリな印象を受けました。

  初段のエミッタ抵抗値の変更

 

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R6,7,56,57の抵抗値を0Ω→47Ωへ変更してみました。
解説によると抵抗値が小さい方がノイズ量が少なく音質はゆったり、逆に抵抗値を高くするとノイズ量が多くにぎやかになるとのことでした。
初段電流値を変更した時ほどの劇的な変化はありませんので、抵抗値を僅かに変更した程度では変化に気が付かないかもしれません。私の耳は鈍感なので尚更でした。
抵抗値を47Ωにしたときの方が音にスピード感が出るような気がしました。これがにぎやかと言う感じなのでしょうか!?
逆に0Ωの時は音の消える余韻が良いというか、残響の表現が素晴らしいように感じました。

  まとめ

 

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なんだかんだで初期設定が一番好みの音質でした。たかじんさんが時間をかけてチューニングした定数なので音質が良いと感じるのはやはり当たり前なのかもしれません。
今回初めて各定数を変更するとどのように音質が変化するのかを体験しましたが、信じられるのは自分の感性のみなのでチューニング途中に混乱しないのかなと思いました。自分の耳にある程度の自信が有れば大丈夫でしょうが、自分の耳と感性を信じられない素人には非常に困難な作業です。いや、困難と言うか不可能でしょう。