他のUSB DACとの比較
トランス式USB DAC TpAs-2S Ver.と並べてみました。
やはりトランスの大きさの違いが目に付きますし、手に持ったときの重さもTK-20 Ver.の方がズシリとくるものがあります。
そしてこうして並べていると TpAs-2S Ver.もそのうちロータリスイッチを追加してCR/LC切替式にしようかな~などと良からぬ妄想に駆られてしまいました。
製作期間
2020年4月26日にフィルタ基板の製作を始め、すべての組立が完了したのが2020年5月10日でした。組み立て始めてからは早いのですが、それに先立ってレイアウトや基板の検討に1.5か月ほどをかかっているので、製作期間は2ヵ月ほどだと思います。
USB DACは設計・製作の規模が小さいのもありますが、私にしては割と短い期間で完成したように思います。
音質
視聴環境は以下のとおりです。
- ソース:WAVファイル
- 再生ソフト:foober2000(WASAPI)
- スピーカ:DALI ZENSOR 1
音質はトランス式USB DAC TpAs-2S Ver.とそう変わらないように思います。聞く人が聞けば違いが判るのかもしれませんが、私の駄耳ではこんなもんでしょう。
一応CRフィルタ同士で比較した際には、TK-20 Ver.の方が出力電圧が高いので同じ電圧になるようにfoober2000の方で音量を-1.67dB下げて比較視聴しました。
何となくTK-20 Ver.の方が音が華やかというか前に出てくるような印象がありましたが、コンデンサのエージングが進んでいないのもありますし、プラシーボ効果があるような気もします。つまり、私にとっては些細な差で、どちらも素晴らしいということです。
ちなみに一時期はLCフィルタを多用していましたが、ある日CRフィルタに切り替えて音楽を聴いてみると、地味なCRフィルタの方が自分の耳には心地よく、相性が良いのでは!?と思うようになりました。
ただ、私の場合はデスクトップでとても小さな音量でスピーカーを鳴らし、何かの作業中のBGMとして音楽を楽しむスタイルというのもあるかもしれません。なので地味な鳴り方なんだけど、ふと耳を音楽に集中させたときにゾクッとくるような感覚に襲われるCRフィルタの音が性に合っているのだと思います。
部品調達
使用した部品は以下のとおりです。(価格は2020年5月16日調べ)
画像をクリックすると拡大画像が参照できます。
以下、下側の表のグレーアウトしているものはの補足です。
マルツ電子は近所の店舗を利用しましたが、それ以外の購入先はすべて通販を利用しました。
TK-20などのタムラのインプットトランスは既に廃盤となっており、入手するにはヤフオク等を利用するしかないのですが、ぺるけ氏の影響もあって価格はかなり高騰してます。私はたまたま比較的安価に入手することが出来ましたが、最近の相場だとTK-20の場合は1個1万円ぐらいまで価格が高騰することも珍しくありませんのでご注意を。
また、単価は購入数量で変動するものもあります。さらに1個単位で購入できないものもあるので、この合計金額ですべての部品を揃えられるわけではありません。
下表に各部品の購入先のリンクを用意しておきました。一応確認はしましたが、リンク間違いやリンク切れ、最新情報ではないものがあるかもしれません。下表のリンクを通販に利用する場合、部品の型番とリンク先の表示内容とが一致しているかをよく確認して下さい。(リンク先は2020年5月16日調べ)
品名 | 型番 |
---|---|
USBオーディオDAコンバーターキット | AKI.DAC-U2704 REV.C |
インプットトランス | TK-20 |
1%級金属被膜抵抗器1/4W型 | MF1/4シリーズ |
インダクタ | ES6-272K |
ポリプロピレンフィルムコンデンサ | 2A-UPZ-103JE |
ポリプロピレンフィルムコンデンサ | 2A-UPZ-393JE |
アルミ電解コンデンサ | 1AUTWRZ221M0 |
アルミ電解コンデンサ | 1CUTES471M0 |
アルミ電解コンデンサ | 1CUTES102M0 |
アルミ電解コンデンサ | UHZ1A152MPM |
ユニバーサル基板 | ICB-90 |
ロータリースイッチ | SRRM620900 |
ツマミ | 25X15BS-7 |
LED | LSLED-BG301 |
LED | LSLED-Y301 |
リバーシブルUSBレセプタクル | NAUSB-W |
XLRレセプタクルコネクタ3Pオス | NC3MD-LX |
黄銅スペーサー(六角) | BSB-308 |
黄銅スペーサー(六角) | BSB-320 |
ケース | HEN110420S |
貼付ゴム足 | B15-5 |
尚、USB DACは半導体が使われていないため、インプットトランスさえ入手できれば製作は容易です。
余談ですが、ぺるけ氏がUSB DACの作例を発表された直後は、秋月電商でAKI DACが品薄気味になるほどの人気ぶりだったそうです。一体どれほどの人がこのUSB DACに挑戦したのでしょうか。100人という少なさはまずないでしょうが、1000人!?それともそれ以上!?
他の方がWeb上で同様のUSB DACの製作記事を公開していますが、それは氷山のほんの一角に過ぎないということなのでしょう。
最後に、このような素晴らしいUSB-DACの製作方法を公開されているぺるけ氏に、深く感謝申し上げます。
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